弦(つる)

弦は「つる」と読みます。弓の両端(弓弭)に輪(弦輪)を作って引っ掛けるようにして使用します。素材は昔から麻(あさ)や苧(からむし)といった植物を束ねて捩って用いており、今現在でも竹弓に対し使用されていますがグラス弓用に強化されているケプラーやアラミド、ザイロン、テクノーラといった化学合成繊維で出来た弦もたくさん普及しています。長さは使用する弓にあわせて三寸詰~四寸伸用まで存在し、弦の太さ(線密度)から強さにあわせて0~3号程度まで存在します。どんな強い繊維でも少しずつ伸びていってしまうので定期的に交換が必要であり、使用し続けると最終的に弦切れを起こします。弓道における消耗品のひとつです。

化学合成繊維弦

一般的に「合成弦」と呼ばれます。ケブラーやアラミド、ザイロン、テクノーラといった繊維を使用しているので麻弦に対して非常に長持ちであり、価格も低価格です。ただその耐久性のため竹弓には負担が大きいこと、弦音が麻弦に劣るなどの理由から竹弓に対しては用いられず、専らグラス弓やカーボン弓に使用されます。寿命は300~800射程度と設定されており、それ以上使い続けることも可能ですがだんだんと性能は落ちてしまいます。種類にもよりますが手入れが十分であれば3000を超えても使用できるようです。なお薬煉(くすね)があらかじめ塗ってあるものとないものがあります。

麻弦

前述の通り、自然の麻を使用した弦です。寿命は合成弦に比べると少々短いものですが、性能は高く弓に優しいといわれており、竹弓に使用されています。グラス弓に使用することも可能ですが寿命は非常に短くなります。なお麻弦は使用前とあとに薬煉を塗り、まぐすねで染込ませる作業を行わないとすぐ切れてしまうので注意が必要です。


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